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ユークリッド整域再び

数学
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ユークリッド整域について考える

整域とは、零元の無い可換環でした。

体とは、単位的環(文献にもよるが、いわゆる通常の、乗法の単位元をもつ環のこと)のうち、非零元の全体が乗法の逆元をもつものでした。

さて、整域R(くりかえしますが、必ずしも整数域ではありません)について、元a(≠0)について、非負整数f(a)が対応しているとします。

対応というのは、たとえば、3倍するとか、5を足すとか、2乗するとか、そういった感じです。ただ、非負整数なので、単に3倍では、うまくいかないでしょう。絶対値をとるとか、2乗するなら、うまくいくでしょう。

さて、0でない元a,bについて

f(ab)≧f(a)が成立し、

a=bq+rが成立するq,r(f(r)<f(b)またはr=0)が一組だけ存在する

ような整域をユークリッド整域とよびましょう。

ユークリッド整域はすべて、単項イデアル整域であることを示す

整域Rの適当なイデアルをIとしましょう。

前提として、0と異なる元aに対して、非負整数f(a)を対応させましょう。

Iが0のみを含む集合{0}であれば、I=(0)ということだから(ここでのカッコは、元0によって生成される最小のイデアルという意味)、単項イデアルとなります。

さて、イデアルIの0でない元の中で、f(b)が最小となる元をbとしましょう。bによって生成される最小のイデアル(b)(カッコがややこしいですが)は、もちろん、bがイデアルIの元なので、イデアルの定義から、イデアルIに含まれています(例えば、4の倍数集合のイデアルの元8からイデアルをつくって8の倍数集合イデアルとなっても、もとの4の倍数集合のイデアルにふくまれています)。

さて、ユークリッド整域の定義から、a=bq+rとなるq,rが一組だけ存在し、かつ、「f(r)<f(b)またはr=0」です。

イデアルの定義から、イデアルIの元bと、もとになった整域Rの元qの積は、やはりイデアルIの元であるから、bqはイデアルIの元です。

ということで、差のa-bqもイデアルの元です。

rが0でなければ、f(r)<f(b)となりますが、そうすると、f(b)が最小であるという先ほどの仮定と矛盾し、結局r=0となります。

bqは、bによって生成される最小のイデアル(b)の元ですから、a=bqなので、aも(b)の元です。

すなわち、Iの任意の元aが必ず(b)の元なので、Iは(b)に含まれます。

先ほどの、(b)がIに含まれることと合わせると、(b)とIが完全に一致するということになります。

まとめると、整域Rの任意のイデアルIは、Iの0でない元についてf(b)が最小となるような元bにおいて、bが生成する最小のイデアル(b)そのものであって、これは、すなわち単項イデアルとなります。

ゆえに、ユークリッド整域は、必ず単項イデアル整域となります。