πと3.05の話
前回の通り、三角形や四角形と比べれば、πというのは、
4よりは確かに小さく、2.82よりは確かに大きいものでした。
実は、簡単な話で、円の中に正八角形を書いてみると、
角度45度を辺の長さ1の2辺がはさんでいて、残りの辺の長さは、
上の図のように、
\(\displaystyle R=\sqrt{(\frac{1}{\sqrt2})^2+(1-\frac{1}{\sqrt2})^2}\)
となって、\(\displaystyle R=\sqrt{2-\sqrt2}\)
となります。8角形なので、\(2\pi>8Rであり、4pi^2>64R^2=64*(2-\sqrt2)>64*(2-1.415)=37.44\)となります。
結局、π*π>9.36>3.05*3.05=9.3025から、π>3.05が示されることとなります。
特に難しい問題ではないような気もしますが、
東京大学が問いたかったのは、
円周率とはどのようなものか?ということを普段から考えているかどうか、
ということと、
円周率そのものをきちんと求めなくても、「近似させる」という考え方が
あるかどうか、ということではなかったかと想像します。