三角関数?三角形はどの情報で定まるかという話
関数という言葉だけですでに聞きなれないところに、
三角形の考え方まで導入されると、よくわからなくなる方も多いと思います。
しかし、落ち着いて考えれば簡単な話で、
三角形は、3つの辺と、3つの角度(内角)によってできているものですから、
関数というのは、ある一つの変数が、別の1つ、または複数の変数によって定まるとき、その定まるほうの変数を指します。
例えば、角度a,b,cがあったとして、
角度bを変数、角度cは固定(定数)というルールを定めると、
変数である角度aは、a=180-b-cとして、正確にはa=-b+(180-c)として、
変数bによって定まる関数でもあることになります。
このa=-b+(180-c)も、三角形に関する関数(関数という言葉は、関数aとしても使えば、その関係を定める式そのものにも使います)なので、立派な三角関数です。
同じように、いくつか三角関数を考えてみましょう。
辺の情報が無いとき、角度aが1つだけわかっても、まず残りの角度はわかりません。わかるのは、残りの角度の和b+cが、180-aと等しいということだけです。
もちろん、これも、関数a、変数b、変数cと考えて、多変数関数として捉えられなくもありませんが、あまり実際には役に立ちません。
さて、三角形ABCについて、頂点A,B,Cの角度をa,b,cとします。
辺ABの長さを単にABと呼んでよいことにしましょう。
ABとaがわかっているとき、BCやCA、b,cがわかるでしょうか。
実際に絵に描けばすぐわかりますが、もちろんわかりません。
パターンはかなり限定されますが、決定できません。
AB,BC,CAのすべてがわかる場合、角度a,b,cがわかるでしょうか。
これは、わかります。
長さを定めたマッチ棒を3つもってきて三角形を作れば、
誰が作っても同じ形になるのがわかると思います。
角度a,b,cすべてがわかる場合、AB,BC,CAがわかるでしょうか。
実は、これはわかりません。
種明かしですが、角度a,b,cがすべてわかるというのは、
実際、角度a,bのみがわかることと意味は同じですので、情報が
3つにみえて、実際は2つしかないのが原因です。
お気づきかと思いますが、辺、角度の6つの情報のうち、
3つ分かれば、残りの3つ全てが確定するわけです。
ただし、角度の合計が180度というのは三角形のルールですので、
実質、これを含めると、4つ情報がなければなりません。
そういうわけで、角度が3つとも、というのは情報が3つで情報不足になります。