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直感数学その20:ベクトル、スカラー、次元

数学
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ベクトル?

始点Aから終点Bまでの長さは、今まで通り、長さで

何の問題もないかと思います。

ところが、それにAからBなのか、BからAなのかという概念は

ありません。

そこで、向きという概念を加えたのが、ベクトルです。

先ほどの、単なる長さのことをスカラーと呼んでいます。

 

紙(平面)の上でベクトルを考えると、平面(2次元)ベクトル、

3次元(空間)の上でベクトルを考えると、空間(3次元)ベクトルになります。

 

数学者というのは面白いことを考えるもので、

4次元、5次元、6次元…などという世界があると定義してしまえば、4次元ベクトル、5次元ベクトルなども定義することができます(実際に、有用な使われ方が山ほどあります)。

ちなみに、4次元、5次元という世界が意味不明だと思えるのは、

私たちが、無意識に、縦、横、高さ、+???という感覚で「次元」を考えようとしてしまうからでしょう。

別に、この次元とは、縦、横、高さとか、直交する、とかいう話ではなく、

「お互いに影響しない、独立した方向がいくつあるか」でしかありません。

たまたま、2,3次元は、私たちの住む世界に例えることができるので、わかりやすいよう、平面ベクトルとか空間ベクトルと呼ばれているだけです。

ベクトルの長さが、ベクトルの座標を(a,b)としたときに、

\(\sqrt{a^2+b^2}\)で表現できるのは、ピタゴラスの定理によります。

まあ、確かに、4次元でもピタゴラスの定理が成り立つのかどうか、を議論すると、よくわからなくなってくるわけですが、

とりあえず、こういった計算でベクトルの長さが算出できます。

ベクトルの和?

ベクトルどうしの和を考えるのは非常に興味深く、

たとえば、福岡→大阪というベクトルと、

大阪→東京というベクトルがあれば、

これらの和は、福岡→東京となるわけです。

これは何となくわかるのですが、

福岡→北京というベクトルと、

北京→東京というベクトルの和も、実は、

福岡→東京となるわけです。

ですので、ベクトルの和というのは、途中でどこに立ち寄ったか、

ではなく、始点と終点がどこか、のみで定まります。

ゆえに、それぞれのベクトルの長さ(スカラー)の和は、

ベクトルそのものの和とは、もちろん一致しないことになります。

このように、日本地図で想像すると、ベクトルの和の違和感が

きれいに消えるのではないかと思います。