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直感数学その2:因数分解の謎

数学
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直感数学その2:因数分解の謎

Yahoo!知恵袋という人気サイトがあります。

非常に様々な質問が交わされており、

当然、数学についても質問があり、

専門的な質問や、素朴な疑問があり、

優れた回答者が的確に回答している場合もあれば、

あいまいな回答・誤った回答も散見されます(しかし、的確でない回答も含めて、この質問掲示板の価値を高めているという解釈もできます)。

その中で、比較的目に付くのが、「因数分解の方法がわからない」という

内容です。

因数分解の前に、いくつか直感からはずれた事項があると思われます。

掛け算の×が消えている

別記したように、例えば(x+1)(x+2)などとなっているとき、

掛け算の×が消えています。

直感的には「文字と数字とカッコが何故か並んでいる」という感じになります。

文字と数字がなぜか一緒になっている

まず、文字と数字が一緒になっていることを理解するのに時間を要します。

1+2は3であったものが、x+2は結局x+2のままだからです。

一緒に並んでいるが計算できないのが、文字と数字のコンビです。

しかし、直感的には、「なぜか文字が出現した」と教えるよりは、

具体的に、「では、あなたの体重が3kgやせたとして、その体重を教えてください。ただし、文字xを使っていいこととします」などと女子に尋ねれば一発です。

(いわゆるハラスメントかどうかの問題はさておき)

すなわち、自分の体重をばらさずに、やせた後の体重を伝える方法は一つで、

回答「自分の体重をx kgとします。」

と言わせれば、その時点で成功です。

回答「そうすれば、x-3 kgがやせた後の体重です。」

ここで、回答者は直感的に気づくはずです。

「xというのは、もともとは数字であった(例えば45kg)が、それを隠すために、

文字として出現している。だから、x-3も、数字(42kg)ではあるが、

xとして本来の数字が隠されているから、x-3としか表現できない。」

実際は、隠すというよりは、xは「変数」なわけですが、

x-3は、たとえば「ゴリラ-3」のようなわけのわからないものではなく、

xも3も本質的には数字ですが、xは「とりあえず」xとして具体的な明言を

避けたものである、ということが直感的にわかると思います。

分配法則の難解さ

(A+B)(C+D)=AC+AD+BC+BDとなるわけですが、

これは確かに、A,B,C,Dに1,2,3,4を入れてみると、

(1+2)(3+4)=3*7=21となって、

1*3+1*4+2*3+2*4=3+4+6+8=21で一致するのでもちろん正しいわけですが、

これが直感的に良く分からない方も多いと思われます。

これは、おそらく教える順序の問題で、

(A+B)(C+D)が先に来るからわけがわからないのであって、

まずはAC+ADという式を見せて、これをわかりやすく整頓できるかを尋ねます。

Aをクラスの人数30人として、Cを各々がもっているリンゴの数2個として、

Dを各々がもっているみかんの数3個としてみましょう。

果物の数は当然、AC+ADとなるわけですが、

ここで、各々がもっている果物の数が、C+D=5個となることを確認します。

よって、AC+AD=A(C+D)となっていることを直感的に理解してもらいます。

厳密に言えば、CA+DA=(C+D)Aの方がより直感的です。

この時点で、おそらく何パーセントかは、「どうしても理解できない」方が

でてくると思われます。

その場合、暗記してもらうしかないと考えます。

理由は、使っていくうちに、いずれ直感に変化する可能性が高いからです。

さて、AC+AD=A(C+D)が理解できれば、次に、

A(C+D)+B(C+D)をどう整理するかを教えます。

実は隣のクラス(20人)でも同じように果物をもっていて、どう計算しますかと。

2クラス合わせて50人が、5個果物をもっているわけですから、

A(C+D)+B(C+D)=(A+B)(C+D)ということは、おそらく大半が直感的に

理解できるはずです。

結局、戻ってみると、AC+AD+BC+BD=(A+B)(C+D)ということがわかります。

因数に分解するというのは何だ?項と係数の話

因数を理解する前に、「項」を理解しなければなりません。

AC+AD+BC+BD=(A+B)(C+D)というようなイコールでつながれた数式を

「等式」とよびます。これは直感的にわかるでしょう。

さて、左を左辺、右を右辺とよびます。これも直感的に大丈夫かと思います。

しかし、「項」はしっかり考えないと分かりません。

そもそも、数式は、いくつかの「項」が+で足しあわされてできたものです。

よって、左辺の項は、「AC」+「AD」+「BC」+「BD」

の4個になるわけです。

たとえばA-Bなら「A」+「-B」と考えれば-でも項を定義できます。

ここで、考えて頂きたいのは、「AC」という項は1つとカウントされていることです。AとCではありません。じつはこれは、A/C(商(分数とも))でも同様ですが、

項というのは、積や商は1つとして数えることになります。

従って、ここで右辺の項が何かを尋ねれば理解が早まると思われます。

右辺の項は「(A+B)(C+D)」そのもので、1つだけということです。

中には+がある気もしますが、積によってくっつけられていますので、一つです。

係数?

ちなみに、AC+AD+BC+BD=(A+B)(C+D)という等式において、

係数は存在しません。

というよりも、係数を定義するためには、必ず変数を定義しなければいけません。

たとえば、3(x+1)=3x+3という等式について、まだ係数は存在しません。

xを変数と定義してはじめて、係数が存在することになります。

係数とは、「定義した変数と、何かの積」が項になっているときの、その「何か」です。

例えば、左辺は、3(x+1)が項ですので、3と(x+1)の積です。xはx+1ではありませんので、左辺にはxの係数は存在しません。

右辺には、項が3xと3の2個があります。3にはxは入っていませんので、この項にはxの係数は存在しません。

3xは3とxの積です。よって、右辺のxの係数は3ということになります。

つづきます。