関数?
多くの方が、「関数」でいったんつまずくと思います。
まず、「変数」と「定数」がよくわからないかもしれません。
たとえば、\(x+y=t+a\)
という等式があって、この時点で、変数は何でしょうか。
おそらく、そう尋ねられて、xとかyとか全部とか答えた方は、よくわかっていません。
答えは、「この時点ではわからない」です。
つまり、変数というのは、「いろいろな値が入る予定」の数であって、
私たちが指定してあげなければなりません。
\(x+y=t+a\)について、x,y,aがすでに定まった値なのであれば、それらは定数で、
tのみが変数であっても良いわけです。
しかし、そうするとおかしなことになります。
t=x+y-aですから、tの値は必ず一つの値になってしまいます。
厳密にいえば、そういうパターンも無いことはないのですが、
\(x+y=t+a\)において、少なくとも1つが変数であれば、もう1つも、それに伴って変動するので、
変数ということになります。
tが変数なのであれば、x,y,aのうち少なくとも1つは変数であるはずです。
さて、xが変数、t,aが定数とします。
すると、y=-x+t+aとなって、もちろんyも変数となります。
関数はどこにあるのでしょうか?
実は、yはもちろんxに伴ってではありますが、xと同じく変動するので
変数ではあります。
しかし、明らかにxは自由に変動できるのに対し、yはxに従って変動します。
同じ変数ですが、自由性が全く異なることはお分かりかと思います。
ここで、変数yは変数xに伴って変動する「関数」と呼ぶことにしましょう。
変数xを関数と呼ばないのは、
xはyの値と「連動してはいますが、自由に動ける」からです。
xのことを独立変数とも呼びます。
yのことは、従属変数とも呼びます。
関数は、英語でfunction(機能)ですので、頭文字fを使って、
「変数yは変数xに伴って変動する「関数」」という文章を、
y=f(x)と表現することにしました。
ですから、yとxが関係しているからといって、x=f(y)ではないことに注意してください。xは自由に動けるわけです。
従って、y=-x+t+a
というのは、y=f(x)=-x+t+aと同じ意味になるわけです。
f(x)でxにaを代入してf(a)?
このあたりで意味不明になってくるかもしれませんが、
y=f(x)=-x+t+aにおいて、xに1を代入するという行為が何となくピンとこない
方もおられると思います。
しかし、xは自由な値をとれるという基本にかえれば簡単な話で、
xは0でも1でも-aでもtでもkでも良いわけです。
そのとき、(変数でもxの関数でもある)yの値は、もちろんxに従って変動するわけです。
y=f(x)=-x+t+aをtの関数としてみる??
急に、x,aを定数、tを変数、変数yをtの関数としてみます、と宣言されたらどうでしょうか。
おそらく混乱するかもしれません。
しかし、もともとyをxの関数として決めたのは私たちなので、
xが一定の値で固定され、tが自由な値をとれるケースも当然あるわけです。
そう定義してやれば、関数のfの次の文字gを使って(gでもhでも何でもよいのですが)
y=f(x)=-x+t+aは別にそのままでよくて、
y=g(t)=-x+t+aと定義することができます。
わかりやすく整理すれば、y=f(x)=-x+(t+a)に対して、
y=g(t)=t+(-x+a)となります。
別に何も問題はないのです。g(t)において、xやaは特定の値しかとらず、
tは自由な値をとれます。それに応じてyの値が変動します。