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直感数学その6:数直線とかいうものと複素数とかいうもの

数学
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数直線?

数なのか直線なのかよくわからない数直線ですが、

数字を直線状に並べたら、まるで直線になったということはわかると思います。

さて、だからどうしたのか、という直感的な疑問がわいてくると思われます。

ここで、何も感じない人がほとんど。

しかし、ときどき、こう考える人が出てきます。

?の部分は何なのか?と考えます。

直線の上に数字が並んでいるところまではわかりますが、

?の部分が何かという問いは、一見意味不明です。

ところが、こうすると、一気に話が変わってきます。

横軸が英語の点数とします。

そうすると、縦軸を数学とすれば、

?の位置が何を表すのか、直感的にわかります。

つまり、数学が90点、英語が30点ということを表します。

もう一度数直線に戻りますが、横軸の英語と数学はもちろん

別々の指標でした。

数直線は、横軸には数字がくるわけですが、数字ではない別の指標が縦軸にくれば、

?が何であるか説明できることになります。

 

だからといって、あなたの体重を縦軸にしても、何が何やらわかりません。

数字のようなものだが、数字ではないものを考えます。

数字のようなものだが、数字として存在していないはずのものを考えます。

 

ここで、二回掛け算して-1になる数を考えてみます。

この発想がすでに意味不明なのですが、

当然、そのような数はありません。

正確には、「ないような気」がします。

 

結論から言えば、そのような数があるルールにしてしまえば、

そのような数があることにできます。

その代わり、いわゆる足し算、引き算、掛け算、割り算のルールは、

いったん無しにして、そのようなよくわからない数についてのルールを、

一から決めなければなりませんし、

また、逆に言えば、一から決めてしまうのであれば、

別に自由に使っても良いわけです。

 

この意味不明な数を、想像上のideal数numberとして、頭文字iで表すことにしましょう。別にここまでは自由です。

「そのような数が無い」というのは、あくまで通常の数字のルールです。

まず、iという意味不明な数を、\(i^2=-1\)を満たすモノとして定義します。

これは、良いのです。

さて、勝手に作った数字に、いままでの数字の考え方をミックスします。

いささかズルい感じもありますが、そのように定義すれば良いのです。

例えば、2iとかいう意味不明な数を、\(2i^2=2^2*i^2=4*-1=-4\)を満たすモノとして定義しても良いわけです。

さらに、2i+3i=5iというように、足し算を定義しても構いません。

なぜ構わないかといいますと、2iも3iも、もともと意味不明な数なわけですから、

意味不明な数どうしを足し算した結果、意味不明な数になっても別に構わないわけです。今までの通常の数字のルールが崩れるわけではありません。

ということで、引き算、割り算、べき乗なども同じく定義できます。

さて、問題は、今までの通常の数字との関係です。

唯一、\(i^2=-1\)は良しとします。なぜなら、このルールが存在したところで、

-1という数字のルールは特に崩れないからです。

では、5+2i=???としたとき、どうなるでしょうか。

結論は、たとえば、これを7とか3とかにしてしまうと、

これは、通常の数字のルールが崩れてしまうので、そこは阻止します。

ですので、5+2i=5+2iにしか、ならないルールにしましょう。

これで、意味不明な数iと、通常の数字の混在が一応許されました。

 

とはいえ、iと通常の数字は全く別物なので、iを縦軸にしても良さそうです。

ということで、?の意味不明な部分は、1+2iということになりました。

もちろん、i以外の意味不明な数が存在して、それを縦軸にする案もあります。

というより、実際にそういう考えが存在して、

\(i^2=j^2=k^2=ijk=-1\)というやはり意味の分からない定義をして、

この3つ組と通常の数字をあわせて「四元数」と名付けた天才がいます。

結論からいえば、意味不明な数ですが、物理学など多くの分野で

非常に有効活用されています。

 

 

数直線を習うのは、このiとかいう良く分からない数を知るための

伏線だったのかもしれません。