三角関数のパターンを考えてみる
角度2個(すなわちすべての角度)、辺1個がわかっているとき、
どうやって残りの辺を計算したらよいでしょうか。
もちろん、辺の長さが確定することは、絵に描けば自然とわかります。
ここで、いったん話を直角三角形だけに絞ります。
有名なsin,cos,tanについて由来をまずは考えてみましょう。
sin,cos,tanサインコサインタンジェント正弦余弦正接の由来を考える
こちらのブログの記事を参考にしますと、
角度と長さの置き換えをするときに、古代のギリシャ人は
「弓」や「弦」のイメージが浮かび、弦jivaという概念を導入したそうです。
そもそも角度と長さの置き換えを重要視した理由は、諸説あるかと思いますが、
おそらく、ある扇形について、角度を半分にすれば、弦も半分になるという
単純かつ天才的な気づきがあり、角度と弦の関係を知るべきだと考えたのではないかと思っています。
結局、そのjivaという概念はイギリスに伝わって、英語のsine(ラテン語ではsinus:ヘコミ)と訳され、eを省略してsinになったという説があります。
さらに、記事によれば、sinを意味する正弦という言葉は、中国人が訳した言葉であって、正とは、「基準」を指すので、正弦は「正しい弦」ではもちろんなくて、
「角度と長さの置き換えをするための弦jivaという概念のうち、最も基準となる概念」
という意味になります。
さて、基準となる角度についてのjivaという概念についてはそれで良いが、
残り2つの角度(実際は角度の和が180度なので、残り1つといってもよいかもしれませんが)にも着目して、
別の1つの角度のjivaも定義しようという話がインドでも持ち上がったそうです。
これは、結局イギリス人にも伝わり、sinusの補足版だ、という話になり、
sinus complenti(complentiは、補足という意味で、英単語としてはsupplementやcomplementなどといいます。)などと呼ばれ、
結局、共に、という意味のある接頭辞であるco-をつけて、co-sine(sineと共に使う、弦の概念)が浸透し、略してcosとなったという説があります。
余った方の辺の弦という意味で、余弦という言葉もあります。
さて、tangentですが、正接ともよばれていて、先ほどの話のように、
正とは正しいではなくて、(誤接などというものが当然無いわけですから)
基準という意味なので、おそらく(おそらくですが)、
正弦sinが、「基準となる角から見た弦」を(本来)意味していたのに対し、
正接tanが、「基準となる角に接した辺」などと由来を考えて良いのではと思います。
ちなみに、深堀りしますと、
こちらの記事が参考になるのですが、
tangentは1583年にThomas Finckが導入した用語であり、ラテン語のtangesすなわち接するtouchに由来しているそうです。
中国人は、基準(正)となる角度と接する(擦り合わせるという中国における意味をもつ「切」を中国ではあてたそうです)辺どうしの比を、
「正切」と訳し、それが日本で「正接」として訳されたそうです。
結果的に、三角形のまわりで、s,c,tの筆記体を描くと、うまい具合に
辺どうしの比が対応していることになっています。