英語語源and
andはandである。「そして」である。
もちろんそうなのであるが、何事にも語源がある。ここで学びを終わるのはもったいない。
良く言われるのが、&の正式名称はアンドパサンド(and per se and)という話である。
これは、ラテン語でのetが現代のandの意味であり、論文にはet al.などで残っているのであるが、
etを合体させると&のような形になるのであり、実際27番目のアルファベットであったらしい。
ABCの歌を口ずさむと、最後はX,Y,Z, and per se “and”という言い方になるのである。
per seというのは、「それそのもの」、すなわち、「andというものそのものを一文字で」という歌の意味であり、それは&を指しているのであった。
そこから由来し、and per se andちぢめてアンドパサンドと言われるようになった。
ここまでは分かるのであるが、そもそもandとは何か?という問いが残る。
結論から言えば、印欧祖語の「en」までさかのぼるのである。
and (conj.) Old English and, ond, originally meaning “thereupon, next,” from Proto-Germanic *unda (source also of Old Saxon endi, Old Frisian anda, Middle Dutch ende, Old High German enti, German und, Old Norse enn), from PIE root *en “in.”
本来、印欧祖語のenというのはinの意味をもっており、実際、のちにinの意味を持って派生したのであるが、一部はandの意味を持って派生したというのである。
また、現代における、「前述した内容と関連をもって後述していく」という、いわゆる「and」の意味(そして、次に)が本格化したのは、どうやら1900年代あたりのことであるらしい。
endとendo
さて、結論から言えば、印欧祖語のenは「in」の意味を持っており、そして「endo」にも派生した。
endoの意味は、「内に」「中に」である。
ここでややこしいのがendである。
実はendはendoとは全く異なっており、印欧祖語のant~が語源となっているようである。
意味は、現代のanteなどに残っているように、in front of とかbeforeなどの「前」だとか「反対側opposite side」のセンスである。
時代は進み、1900年前半頃には、endの意味は進化し、どんどん「前」にいってしまったのかは分からないが、「端」とか「境界」の意味を成し始め、とうとう「終わりの」という意味を獲得し始めた。
もともとendは終わりではなく、ant「前」であったのだ。
その一方で、印欧祖語のenは従来からin「中の」の意味を持っており、広く使いやすい語根であった。そして、and「そして」にも派生したし、endo「中の」にも派生したのであった。
印欧祖語までさかのぼることでようやく、endとendoが全く異なるものであると納得できるのである。