英語語源解説エヴァンゲリオン
全国民とは言わないが、エヴァンゲリオンのアニメを知っているものは多いだろう。
ところがそもそもエヴァンゲリオンは、eu+angelionすなわち、良い知らせ=福音というギリシャ語でもあったのである。
しかし、良いという意味のeuがevに変化するのは分かったとして、
angelionというのがしっくりこない。色々調べてみても、=messageという記載が多い。それ自体はそうなのだろうが、エンジェルについては指摘がない気がする。
angelというのは、ギリシャ時代から、神の使い、すなわち天使として単語が存在していた。
~ionという接尾辞は、動詞や形容詞を名詞にするためのものであり、動作の結果や状態を意味している。
結論から言えば、angelionというのは、名詞+「接尾辞的」名詞の「造語」ではないかと思うのだ。
名詞angelに接尾辞ionをつなげるというのはしっくりこないが、天使による何らかの動作の結果というセンスであれば、転じて、天使からの知らせ、天使からの導きともとらえられる。
古代ギリシャ神話において、天使の善悪の感覚は分からないが、しかし、eu(良い)ということを強調する程度には、どちらにも転びうるものであったのではと思うのである。
ゆえに、良い、天使(が何かした結果として)の何らかのお導きをeuangelion(evangelion)すなわち、日本語として福音として訳したのではないかと思える。この解釈が最も自然でスッキリするのである。
イヴとage
さて、エヴァとはラテン女性につけられることのある名前のようで、lifetimeすなわち一生涯とか、命とか、おそらく長生きのような願いも込められたのであろう。もともとは神イヴから由来していることで納得できる。
そして、エヴァすなわちaevum(ラテン語)から派生したのが現在のageだということである。
ゆえにageとは年齢を主に指すのだが、「誰かが生きた時代」というようなセンスで、時代をも指すのである。命だとか、イヴから由来した言葉だとわかれば、そのスケールは納得するはずである。
ageとperiodとtermとdurationとera
periとは周囲の、hodosは道ということでperiodの語源は道を一周するところからきている。periodは、繰り返し行われることについての、期間というセンスが生まれる。
現代イメージとしては、「繰り返し」については弱まっており、とにかく「期間」であれば広範囲に使っても支障のない言葉がperiodである。「話者が」終わりを定めて「論じ」さえすれば、periodなのである。そうしておかなければ、何らかの「期間について論じるための単語」が無くなってしまう、ということで、繰り返しのイメージが弱まったのではと推測するがどうだろうか。
一方で、termはterminalに代表されるように、定められた、というセンスが強い。termは「何者かによって定められた」期間というセンスである。
durは持続という意味であるから、durationは持続期間というセンスになる。いずれも、全く用途が違うのである。
eraは、何者かによる「統治」による時代の明確な区切りを示すセンスである。特に、対外的に、その国がどのような統治下にあったのかを示すことで、歴史学が明確になる役割があるだろう。
ageは誰かの「生きた時代」であり、「命」を感じさせるセンスである。
eraとageでは主役が一方は統治者であり、一方は生きた者であるように思えてならないのである。